ボロボロの三段重の修理で、輪島塗三段重に変身

ボロボロの三段重の修理で、輪島塗三段重に変身

「お客様から、底板や側板も損壊した輪島塗ではないボロボロの三段重(45年前の品物とか)の修理を依頼されました。
このため、三段とも底板および横板を新作し(指物)、布着せして下地、研ぎ出し、中塗り、上塗り、蝋色の一連の輪島塗工程を経た結果、輪島塗三段重に変身しました。
修理期間は4カ月でした。
(画像1および画像2は修理前、画像3および画像4は修理後の写真です。)

ボロボロの三段重の修理で、輪島塗三段重に変身
ボロボロの三段重の修理で、輪島塗三段重に変身
ボロボロの三段重の修理で、輪島塗三段重に変身

輪島塗化したクラリネットの音響効果の向上

輪島塗化したクラリネットの音響効果の向上

 クラリネットの一部であるバレルとベル(全長の26 %に相当)を輪島塗化したところ、音響効果が著しく向上しました。分析・評価には、@輪島塗化する前、Aバレルとベルの外面のみを輪島塗化した場合、Bバレルとベルの内面も上塗りした場合、の3つの条件下で、一つの音階を演奏して、周波数スペクトルの高速フーリエ変換(FFT)を行いました。計測が行われたのは、石川県工業試験場です。得られた結果の要点は以下の通りです。

@やAで見られる不協和音が、Bでは解消して和音になる。
@→A→B に進むに従い、共鳴周波数は高周波側にシフトし、音量が増大し、周波数スペクトルの半値幅が小さくなる。
上記の順で、音の出初めから一定の音量に達するまでの時間が短縮してシャープな音になる。
特に、高音部での音響効果が著しい。

本研究は、豊橋技術科学大の八井  崇教授との共同研究によるものです。2年前、豪先住民のアボリジニが使っているイダキ(ディジェリドゥ)を輪島塗化した時も、輪島塗化で音の響きが良くなることが判明しましたが、今回のクラリネットの輪島塗化でも、同様の結果が得られました。得られた知見は、他の管楽器にも有用と考えられます。詳しい研究結果は、以下の応用物理学会・欧文誌に掲載されています。
Kiyoshi Yatsui, Chihiro Yamada, Yuta Yoshida, and Takashi Yatsui, “Improving sound of clarinet by coating lacquerware (Wajima-nuri)”, Japanese Journal of Applied Physics, 60, 107002-1 ~ 107000-8 (2021).

バレルとベルを輪島塗化したクラリネット(本写真は、北國新聞に掲載されたものですが、同社の転載許可を得たものです)

クラリネットを輪島塗化

クラリネットを輪島塗化

オーストラリア古来の管楽器である「イダキ」(英語名:ディジュリドゥ)、および我が国古来の尺八の輪島塗化すると、音の響きが非常に良くなることを、以前お知らせしましたが、今度は木管楽器のクラリネットを輪島塗化して、音響効果との関連性を調べました。

輪島塗化したのは、クラリネットの一部であるバレルとベルです。
その結果、これまでの実験と同様に、輪島塗化によって、顕著な音響の向上が確認されました。(写真は、県工業試験場無響室でクラリネットを演奏試験中の山田千尋さんです)。

実験結果の詳細は、応用物理学会・欧文誌 (Japanese Journal of Applied Physics) に掲載されている他、当店ホームページの「店舗案内」の「マス・メディアでの紹介」欄にもご案内されています。併せてご覧ください。

木管楽器のイダキ(ディジュリドゥ)を輪島塗化

木管楽器のイダキ(ディジュリドゥ)を輪島塗化

オーストラリア先住民であるアボリジナルが太古の時代から楽しんで来た木管楽器のイダキ(ディジュリドゥ)を輪島塗で成膜・加工したところ、演奏者達から「音質が変わり、響きが良くなった」という感想が寄せられました。

これを確かめるため、県工業試験場で他のイダキを用いて、輪島塗で成膜・加工前後の周波数スペクトルを調べ、東大との共同研究のもと、音響評価を行いました。

その結果、演奏者たちの感想を音響学的に裏付ける結果が得られました。
このような研究成果は世界で初めてです。
(写真は、県工業試験場無響室でイダキ演奏中の浅岡秀彦さん)

なお、これについては、当店ホームページ、「店舗案内」の「マス・メディアでの紹介」欄でも触れられ、詳細は応用物理学会誌(和文および欧文の2誌)にも掲載されています。ご興味のある方は、併せてご覧ください。

輪島塗 マグカップ 御陣乗太鼓の蒔絵仕上げ [ 外面黒色 ・ 内面白色 ]

輪島塗 マグカップ 御陣乗太鼓の蒔絵仕上げ [ 外面黒色 ・ 内面白色 ]

マグカップ
外面黒色・内面白色
御陣乗太鼓の蒔絵仕上げ
寸法 : 直径 8.5 cm 、高さ 11.5 cm

小学5年生の男児が描いた御陣乗太鼓のイラスト画を基に制作した輪島塗御陣乗太鼓の蒔絵仕上げ、マグカップ(内面白色/外面黒色)です。
ここで蒔絵とは、漆を塗った上に金粉や銀粉を蒔き、絵を描く手法です。
木製なので熱伝導性が低く、温かいものは冷めにくく、冷たいものは温かくなりにくい特徴があります。

輪島塗 マグカップ 御陣乗太鼓の蒔絵仕上げ [ 外面黒色 ・ 内面白色 ]

器局

器局

萩に鶉(ウズラ)蒔絵の輪島塗器局です。
周りはウルミ乾漆、中央は黒地の扉に切金と螺鈿仕上げです。

器局

器局

吉野蒔絵の輪島塗器局です。

炉縁

炉縁

高台寺蒔絵(上側)、四君子蒔絵(内側)仕上げの輪島塗炉縁です。

茶棚

茶棚

菊桐模様の蒔絵仕上げの輪島塗茶棚です。